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 山田の藤 (熊本県玉名市)    site up 2004/05/01
山田の藤1
藤は神社やお寺の境内に多いように思う。特に樹齢が数百年と呼ばれるよう藤ともなれば、さらにそういった傾向ではないだろうか。憶測であるが、これには藤【ふじ】を不死にかけて、長生きをしたい、死ぬのが怖いといった心理を救う宗教的な要因が重ねられるように思う。
それに実際のところ藤は生命力が物凄く強い。あのツルの伸びるスピードは日々凄まじい(以前自宅にあったので記憶しているが、周りの木々はたいそう迷惑そうであった)。あまりのツルの伸びように、個人宅では手を焼かれることもあるだろう(実際うちの藤も強制撤去された経緯がある)
ま、これが個人宅などであまり大きな藤を見ない要因なのだろうなぁ、そんなことを思いつつ、今回は玉名市にある山田の藤を訪れることになった。初めて訪れるが、やはりここも神社の境内で枝を広げていた。
山田の藤2 山田の藤3 山田の藤4
山田の藤がある山田日吉神社 参道を覆う藤棚 狛犬さんは目や牙が輝いてました
山田の藤は、山田日吉神社の境内にある。樹齢は推定200年超とされ、先日ご紹介した中山の大藤に比べるとやや若い。確かに根元付近の幹周りも幾分か細いようだ。とはいっても、地上から60cmのところの幹周りは2.45mとされているからかなりの巨木ではある。熊本県指定天然記念物
東西14m、南北15mの藤棚に枝を張っており、神社前の一帯に紫色のアーケードを作っているかのようである。花は長さ1mを超えるという。訪れた時期がやや遅かったか、満開の時期を少し過ぎていた。花の先端では紫色の花が甘い香りを漂わせていても、花の上部は実が育ちつつあった。この実がどんどんと大きくなっていくのだが、中に複数の種が入っているのですごい数の種ができる計算である。
藤の花言葉は、あなたを歓迎しますとか恋に酔うといった意味。歓迎してくれるので訪れやすいと気分的に思うね。
山田の藤5
山田の藤6 藤は自分の力で自立できないツタの仲間である。自然界で藤に巻かれた木は悲惨だ。巻かれた木は、藤の旺盛な生命力の前に日照不足と幹の締め付けによって弱っていく。藤は自分の首を締め付けるようなもので、巻きついた木々を遂には枯らして支えを失い、自らも倒れるといったことになる。だから自然界には大きな藤は少ないように思う。この後先考えない無謀とも言える藤の巻きつきは、森の木々からすればフジの病に取り付かれるといった感すらある(笑)。しかし本来、藤は山深いところでは少ない。人間が山を切り開いたことで、日光が地面に降り注ぐようになった為藤の育つ場所が増えることに。森の木々には災難である。
と、木々からはきっと敬遠されている藤に、人間が手を差し伸べた。木々に頼らずこの棚を使いなさいとばかりに、立派な藤棚が用意された。藤にとって人間は救世主となった模様だ。これで木々の批判を買うことなく存分にツルを伸ばすことができる。
山田の藤7 山田の藤8 山田の藤9
実がつき始めてました 参道両脇にも藤棚、花見に最適 神社前の山田の藤(天然記念物)
藤は快適な環境を手に入れ存分に花を咲かせることになった。藤、森の木々、そして人間にとっても喜ばしい一石三鳥である。
いろいろな藤棚を拝見してきたが、コンクリート製から鉄製と多種多様であった。大抵は長年藤を支えてきただけに痛みを見受けられたものだが、ここ山田の藤の藤棚は見てきた中では最も立派なものだ。それもそのはず、平成14年度に手を加えてあるようで、新しい柱が立てられ補強がなされている。
また参道の両脇にも分木されたのだろう、数本の藤が植えられていて立派な藤棚が続いている。さらには両脇の藤棚をつないで参道を覆うようにアーチ状の立派な棚が作られている。まだピカピカだった。枝が張るまでは至っていないが、これから両脇の藤からツルが伸びて藤の花が数多く下がるようになると、さらに魅力を増すポイントになるだろう。3年後はかなり藤のトンネル化が進んでいるのではないだろうか、楽しみである。
山田の藤10
山田の藤11 最後に山田日吉神社についてご紹介しておこう。現地の案内によると、祭神は大山咋神【おおやまくいのかみ】、相殿【あいどの】として白山此買神【?】。創建は708年と古い。
よくある話であるが、戦国時代に社殿が焼失している。戦争とは貴重なものが失われる行為だなとしみじみ思う。現代の紛争でも世界遺産が壊される位だからね。その後加藤清正の子である加藤忠広【かとうただひろ】によって社殿は再興している。それから2度の改築を経て、現在の拝殿は天保元年(1830年)に改築されている。柱や板の様子からは古さを感じる。神殿、弊殿【へいでん】は明治13年(1880年)に増築されたものだそうだ。拝殿は窓に扉がない開放感のある造。
境内には水車の回る池があって、先述の山田の藤はその池の中の島にあるようなもの。ちなみに下写真で白鳥らしきものが浮いているが、本物ではないのであしからず(笑)
山田の藤12 山田の藤13 山田の藤14
古さ漂う神社です 神殿の様子 鯉が泳ぐ池、鳥は...
 関連リンク 玉名市ホームページ  
   

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