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K-00073-H0029
 竹の熊の大けやき  (熊本県阿蘇郡南小国町)    site up 2003/05/19
熊本県下最大のけやき。
国指定天然記念物

南小国町中心部、国道212号線から県道40号線に1km程入り、満願寺川を渡った右手奥の住宅地裏手に大けやきは存在する。所在地は少し迷うかもしれない、私も細い生活道路を「この辺りのはずだが…」とキョロキョロしながら通る途中、洗車をされていた男性に聞いた。結果はすぐ近くだったのだが、不安になるところだ。近くにようやく1台駐車できる場所があるので、短時間なら置かせてもらえるだろう。
いずれにしても主要道や分岐路には、「看板をもっと出して!」または「もっと目立つようにして!」と言いたい。国の天然記念物であるからには、迷わずに辿り着きたいものである(編集注:私どもの再確認前に整備されたらご連絡ください「事務局 ajkj@ajkj.jp」)
大けやきは、連なる住宅の裏手にある竹の熊天満宮(菅原神社)の境内にあった。道路から入ること20m、登ること高低差3mほどか。気をつけていればすぐに確認できるだろう。大きな枝ぶりを想像していたが、思いのほかスリムな感じである。
根元周囲約15.8m、幹の周囲約11.7m、標高約33m、樹齢1000年を越すと言われる大木で、けやきとしては県下最大、全国的にも第一級のようだ。
やや寂しい枝ぶりと感じたのは、地上7mから主要枝が分岐しているが、そこから存在した第一の大枝が戦後の台風で折れてしまったからと分かった(けやきの特性で、あまり横方向に枝を張らないのも要因みたい)。
現在は折れた後が空洞化しているため、朽ちるのを防ぐためにトタンで穴を塞いである。1000年を越える年輪を刻んでいるのだから、いたしかたないと思いつつも残念である。

現地案内板によると、昭和初め、この木を伐採するか保存するかをめぐって裁判になったそうである。天然記念物となった今聞くとなんとも恐ろしいお話であるが、当時は保存するという概念は少ない風潮だっただろう。
めったなことでは裁判なんてない(?)当時のこの地においては、町を二分する大論争となった(かも)。当の大けやきは、やきもきして判決を待っていたと思うが、よくぞ裁判官は保存を言い渡した(編集注:話し合いでの解決かも)ものである。

その後天然記念物指定を受けたのが昭和10年であるからして、判決から数年も経っていないだろう。きっと裁判官は胸を撫下ろすと共にニタリと笑ったのではないだろうか、「だから、オレに先見の明があっただろ?」と(編集注:推論です)

けやきはニレ科に属する落葉広葉樹である。古くはツキ(槻)とも呼ばれていたそうだ。 ほうきを逆さにしたような形が特徴で、スッと伸びた幹に上部にフワと広がる枝葉が、ほうきをイメージさせる。
けやきは巨木になると幹にコブ状のものができるそうだが、竹の熊大けやきにはそれがほとんど見受けられない。
幹には品良く緑のコケが生え、見栄え良い。巨木らしい幹である。

山道をしばらく歩いて入る、という必要はないのだがここはそんな場所?と錯覚させる雰囲気がある。いや辺りに住宅が見えるし番犬の遠吠えが聞こえ、ここは現代の生活圏内だと自覚する。しかし大けやきのある境内周辺の空気は昔のままのような気がした。地元の人々に自然と慕われて祀られている、そんな大けやきと感じた。
裁判を乗り越えた大けやきは神木となり、裁判を共に戦った人々の気持ちと共にここにある。
   

地図はこちらから⇒  Mapfan地図へ がおおよその位置になります。
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