薩摩今和泉　指宿市・鹿児島観光　あじこじ九州

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	薩摩今和泉　～篤姫ゆかりの地を訪ねて～　（鹿児島県指宿市）	site up 2008/10/22

指宿市北部の岩本という地に「薩摩今和泉駅」という小さな無人駅がある。

２００８年ＮＨＫ大河ドラマ「篤姫」、００年代における大河ドラマの最高視聴率(H20.10.5放送28.1%)を記録し日本列島が沸いている。地元鹿児島では視聴率が４０％を超すという驚異的なものとなっている。

篤姫は、薩摩藩島津家の一門家である今和泉島津家【いまいずみしまづけ】の第５代当主・忠剛【ただたけ】の長女として現在の鹿児島市に誕生した。
ここ薩摩今和泉駅のある指宿市岩本は鹿児島市から南へおよそ４０Ｋｍに位置し、藩政時代は「今和泉郷」と呼ばれ当家の中心所領だった。
ゆえに今和泉島津家の別邸跡や実父･忠剛のお墓など篤姫ゆかりの史跡が残っており、この機会に多くの人がこの小さな駅・薩摩今和泉に降り立っている。





ＪＲ薩摩今和泉駅(指宿枕崎線)	今和泉家初代(和泉家６代)・忠郷の墓	今和泉島津家墓地(指宿市指定文化財)




	冒頭の写真からは、今和泉島津家の墓地（指宿市指定文化財）である。 →右写真・右手に花が添えられた五輪塔が篤姫の実父・忠剛のお墓である。奥に見えるのは忠剛・正室お幸の子で長男の忠冬【ただふゆ】のお墓、忠剛没後に家督を継承し今和泉島津家第６代当主となっているが、僅か５年で早世し、忠剛・側室の子で弟の島津忠敬【ただゆき】がその後を継いでいる。今和泉島津家の墓地までは駅の裏手から南方へおよそ１００ｍ程度。周辺に駐車は不可。




		今和泉島津家別邸跡の現在は今和泉小学校となっており、その名を今に伝えている。小学校の敷地内には当時からの井戸、今和泉島津家伝来の手水鉢（指宿市指定文化財）、それから大河ドラマ(原作は宮尾登美子さんの｢天璋院篤姫｣)でも出てくるクロガネモチの老樹の切株が校舎内に残されている。海岸沿いには防波堤ともなっていたであろう別邸の石垣と隼人松原と呼ばれる老松が歴史を感じさせ当時を偲ばせている。また、今和泉小学校周辺には江戸時代の風情を伝える町割が残っている。今和泉島津家別邸跡へ駅からは国道２２６号線を越えて海側北東３００ｍ程度。





歴史を感じさせる、石垣と老松	当時からの姿を残す別邸跡の井戸	観光用に整備された隼人松原海岸の休憩所




	多くの偉人を育み、輩出させた鹿児島の風土。その風土によって培われた薩摩の篤姫や小松帯刀、西郷隆盛や大久保利通、そんな幕末を駆け抜けた若者たちを生きいきと描く大河ドラマ「篤姫」。この放送によって「天璋院篤姫」を多くの日本人が知ることとなり、江戸城無血開城に大きな役割を果たした彼女の責任ある行動は、薩摩人のみならず大きな感動を受けるもので、時代の流れによって失われた「誇り高き生き方」を現代の人々に伝えるものと思う。にわかに活気づいた薩摩今和泉の街はやがて静けさを取り戻すであろうが、今回の事象を最も喜び誇りとした薩摩人はこの地に眠る於一(篤姫)の父と母、忠剛とお幸であるに違いない。




	【現地案内文：今和泉島津家墓地】ＪＲ指宿枕崎線薩摩今和泉駅北東３００Ｍにある隼人松原と今和泉小学校一帯は今和泉公館の跡で、宝暦４年(1754年)鹿児島城下で大磯館と呼ばれた別館を今和泉郷に移した。今和泉小学校地がこれに相当し、クロガネモチの老樹、手洗水鉢、老松、城壁を思わせる石垣が当時の館のおもかげを偲ばせている。島津第４代忠宗の子孫は第５代貞久の他、和泉、佐多、新納、樺山、北郷と分かれる。和泉家５代直久は第８代島津久豊とともに川辺平山城の伊集院頼久、島津久林を攻めた。この戦いで和泉直久は戦死し、このため和泉家は絶家となった。その後、３２０余年たって江戸中期延享元年(1744年)島津第２２代継豊が弟忠郷に和泉家を今和泉島津家として復興させ重富、加治木、垂水とともに一門四家として呼んで特別待遇を受けた。今和泉島津家墓地は、初代忠郷から第６代忠冬に至り五輪塔や宝筺印塔、ほこら型をした１４基の墓石が１００基余りの灯籠に囲まれ、江戸中期以来この地を１２０年余りにわたり支配した「殿様」の威厳を今日に伝えている。第１３代将軍徳川家定の御台所となった篤姫は、今和泉島津家第５代忠剛の長女である。将軍亡きあと天璋院篤姫(明治１６年亡４７歳)と呼ばれた。

　交通アクセス（公共交通）

ＪＲ指宿枕崎線「薩摩今和泉駅」下車。