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 熊襲【くまそ】の穴 (鹿児島県霧島市隼人【はやと】町)    site up2004/01/08
熊襲の穴1
皆さんは熊襲【くまそ】をご存知だろうか。字から想像するには熊を襲う狩人、マタギのような人ですか?といった感じだ。実際九州にも熊が住んでいたというし、祖母、傾山山系には今も生息しているのでは?と最近まで話題に出ていたくらいだから、熊を襲っていたかもというのは否定できないところだが、熊のように荒々しく勇ましい民族とも焼き畑耕作を営む静かな民族とも言われる。古事記や日本書紀にも、熊襲は登場するのだからその筋ではかなり有名なのである。
その熊襲が生活していたとされる洞窟が、熊襲の穴と呼ばれ見学できる。駐車場は10台程度は用意してあるが、そこからけっこうきつい山斜面を登る歩道が見える。そう、この斜面を登っていくと熊襲の穴があるというわけだが、軟弱な私は重い三脚とカメラケースを持って登ることを想像すると、やや眩暈【めまい】を感じるところだ...。
熊襲の穴2 熊襲の穴3 熊襲の穴4
駐車場からすぐにある案内塔 この先に熊襲の穴がある 80mを一気に上るのねぇ
ま、洞窟というからには三脚無しでは厳しいだろう、めげずに参ろう、ということで、軟弱な心臓が久しぶりに大きく波打つこと暫く、熊襲の穴に到着である。
おお、ここかぁ...って穴はどこ?という感じだ。洞窟の入口がぽっかりと我々の前に姿を見せ、それもきっと大きな入口だろうという先入観もあったのだが、登りきった地点正面の岩肌と地面に少し窪みがある程度。ここか?という雰囲気はあるがその先が見えないし...。熊襲隼人と書かれた額がかかる門があり、熊襲の穴の矢印もそこを指しており間違いなくここらしい。それと正面に向かって右手にはちょっと目立つ電気関係のスイッチボックスが無造作に立っていて、これは?とそれに興味が惹かれた矢先、突然正面の岩からズサッという足音と共に人が現れた。これには少々驚いたのだが、狭い入口が一回窪んで続いており、またその先は直ぐに左横方向に空間が広がっていて外から内部が見えないのである。夕刻ということもあり薄暗いのもあって気づかなかったのだ、訪れた際にはご注意されたしである。
で、また照明はセルフサービスで、入る際にはこのスイッチボックスにてONにしてから入り、出るときにはOFFにという具合でなかなかローカルな感じが気に入った。
熊襲の穴5
熊襲の穴6 熊襲の穴7 熊襲の穴8
到着近し、高鳴る鼓動!(って違うか) 熊襲隼人と書かれた門 一見、先があるようには...
熊襲の穴9 いよいよな内部である。案内板によると100畳ほどの広さがあるというが、なるほど高さはそれほどではないにしても確かに広い。熊襲が生活するには貴重な場所だったろうと思われる。
ただし、熊襲にとってはあまり良い場所ではかもしれない。というのも熊襲の首領である川上梟師【かわかみたける】(熊襲建【くまそたける】ともあり、これは熊襲首領という意味)が、日本武尊【にほんたけるのみこと】に殺された場所ではないかとされているからである。日本武尊は第12代景行天皇の子で、各地を平定した武芸に秀でた方らしく、熊襲平定は16歳のとき。
そのとき、川上梟師は新築の祝宴を催していたとされるが、そこに日本武尊が少女の姿に変装して熊襲の女たちの中に紛れ込み、すっかり油断していた熊襲兄弟を亡き者にしたという物語が残っている。はて、新築の祝いが穴?という気もするが、そうかもしれないし逃げ込んだ場所かもしれないので、ま、気にしない。
100畳ほどある洞窟内の奥には、さらにその奥へとありそうな部分がある。説明によれば、本来はさらに奥に300畳の広さの洞窟があるのだそうだ。ただ落盤などにより現在は塞がり入れないとある。残念である。
内部は外でスイッチをONにしていればだが、照明が灯りそして壁や天井には鮮やかに芸術的な絵が描かれている。ほほぉ、こんな立派な絵も残っているのか、それにしてもえらく鮮やかに残っているもんだ、と思っていると、実は1990年に萩原貞行氏が内部にアートを施したそうである。萩原貞行氏は現代アート、前衛画家(芸術運動で、先駆的で実験的な創作を試みるグループ:三省堂「大辞林 第二版」より)としてかなり著名な方である。結構洞窟の壁画としてもマッチしていて観光客の目を愉しませるのは間違いない。でも歴史上有名な洞窟では?とされるのにいいのかしら?という気もなくはないが...
熊襲の穴10
熊襲の穴11 左写真が、100畳の空間の奥の方、更にこの奥があったのかなと思わせる個所である。たぶんこの先に300畳の空間があったのだろう。
ハプニングもある。私達が内部を拝見している最中に新しい観光客が来たようで、照明スイッチボックスにて何を思ったかOFFにしたもんだから内部は真っ暗に、ううん怖い。ま、すぐに気付いて再点灯となったがそれもまた思い出である。もし、真っ暗な中でフラッシュを焚いてあのアートが一瞬浮かび上がるという光景、想像するとやや怖い。いやアートそのものには何の罪もないのであしからず(笑)
熊襲の穴は、国道223号線沿いの妙見【みょうけん】温泉郷を見下ろすように存在する。ここで一汗かいても、妙見温泉では宿泊せずとも温泉を楽しめるようだから大丈夫、温泉好きの方には絶妙なスポットかなぁと思う。

 関連リンク 霧島市観光協会ホームページ 霧島市ホームページ
   

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