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 宇美八幡宮  (福岡県糟屋郡宇美町)    site up2004/01/31
宇美八幡宮1
八幡宮は、全国にある神社の中で最もその数が多いとされるお宮でありその数実に4万社余り。最大派閥である(笑)。そしてその総本山として名声を轟かせているのが、大分県宇佐市にある宇佐神宮(宇佐八幡宮)である。八幡宮では、八幡大神(誉田別尊【ほんだわけのみこと】)すなわち応神天皇と、神功皇后【じんぐうこうごう】、そして宗像三女神と称される多紀理姫命【たぎりひめのみこと】、多紀津姫命【たきつひめのみこと】、市杵島姫命【いちきしまひめのみこと】が祀られることが多い。
応神天皇は第14第仲哀天皇【ちゅうあいてんのう】の第4皇子として200年に生まれ、なんと111歳となる310年に崩御【ほうぎょ】されたといい、医療の発達していない当時を想像すれば、神がかり的長寿な方である。このような神力もあって、4万社余りの八幡宮で祀られるようになったのだろう。
母は神功皇后であり、こちらにも神がかり的な霊力を持ち合わせていたという説がある。神功皇后は朝鮮の国である新羅【しらぎ】征伐を天皇に進言、その時仲哀天皇は熊襲【くまそ】平定を先にと考えていたが、どちらを優先すべきか思慮する間に病死してしまう。その後を継いで第15代天皇として即位した神功皇后は、新羅への進出を実行し自ら遠征するといった力の入れようであった。そのとき神功皇后のお腹には応神天皇が宿っていた。戦いは長期に及び、10ヶ月が経過した出産の時期にも神功皇后は朝鮮にいた。神功皇后は呪術(神術?)を用い出産を遅らせる処置をして、筑紫の国に戻ってから出産、なんと妊娠から15ヶ月後のことだったという。神功皇后もすごければ、産まれてきた応神天皇も只者でないな、と印象付ける出来事である。
で、応神天皇を出産した筑紫の地、それがここ宇美八幡宮として祀られている。応神天皇が誕生した場所なのである。
宇美八幡宮2
宇美八幡宮3 宇美八幡宮4 宇美八幡宮5
緑豊かなお宮 参道の様子、綺麗である 天然記念物 湯蓋の森(樟)
宇美八幡宮6 出産時期をコントロールして無事に応神天皇を産んだ神功皇后、そこで“産み”という言葉から“宇美”となって現在の宇美八幡宮、さらには宇美町と地名が残ったという説がある。また、こういったことが、安産のご利益があるという信仰につながり、今日でも安産育児の信仰が特に篤いという。
また子安【こやす】の石という習慣がある。これは神功皇后が応神天皇をすごい安産でお産みになったということに起因するのだろうが、ここから石を預かって帰るとご利益があり、めでたく出産となればその石とともに別の石に生まれたお子様の住所、氏名、生年月日を書いて納めるという慣わしである。なるほど、持って帰った石とは別の石に名前を書かなければ、持って帰る石がなくなるよね。見渡せば沢山の名前を書かれた石、レンガのような石も納めてあったりと千差万別であるが、その量から信仰の篤さを感じるところだ。
宇美八幡宮の主祭神は応神天皇であるものの、感覚的には神功皇后が主役に感じるお宮である。実際、境内には応神天皇を抱く神功皇后像があり、神功皇后を祀る社【やしろ】も本殿と別に建てられている。また、神功皇后が応神天皇を出産される際に立ち会った官女【かんにょ】が、今でいう助産婦の役割を行ったと伝えられており、湯方【ゆのかた】殿として本殿裏「湯方神社」が祀られている。そういった経緯からやはり安産の神様として祀られ、先述の子安の石は湯方神社の社周辺に沢山並べられている。
また福岡県指定重要文化財「産湯の水」があり、応神天皇が誕生された際に使われた産湯と伝えられる。これも安産のご利益があるとして多くの妊婦が水を汲みにくるという。他「子安の木」もあって安産信仰の拠点いった感がある。宇美の語源には「魏志倭人伝」に記される「不彌【ふみ】国」が由来という説もあるようだが、やはり産みというのがしっくりくるなぁとは個人感想。
宇美八幡宮7
宇美八幡宮8 見所はまだある。圧巻なのは、樹齢2000年とも言われる樟【くす】である。あまりに大きいので森と呼ばれ、社殿の右側に「湯蓋【ゆぶた】の森」、社殿の左側「衣掛【きぬかけ】の森」が堂々とその勇姿を見せる。共に国指定天然記念物の巨木である。衣掛の森は残念ながら大きな枝が折れていたりと本来の枝振りが分からないが、幹周りの巨大さは圧倒的である。他にもそこまではないにしても大樟が25本あり、こちらは県指定天然記念物の指定を受けている。これらの木がある一帯は大樟の森と呼ばれている。この歴史を感じさせる静かな空間も、神功皇后が“うみ”残した遺産かもしれない。
近くには宇美町立歴史民俗資料館がある。開館は午前9時00分から午後5時(入館は4時45分まで)、休館日は変則的なのでこちらをご確認頂きたいが、うれしいことに入館料は無料(2004年1月現在)である。
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福岡県指定重要文化財「産湯の水」 天然記念物 衣掛の森(樟) 神功皇后を祀る社

 関連リンク 宇美八幡宮ホームページ 宇美町ホームページ
   

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