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八女郡黒木町【くろぎまち】には古くから町民に親しまれている南仙橋【なんせんばし】という橋がある。
福岡県・筑後地方には九州を代表する筑後川のほか一級河川で「清流」として誇れる「矢部川」【やべがわ】があり、この黒木町を貫流している。
南仙橋は、この矢部川に掛かる橋で昭和２９年(1954)に完成し修理を重ね、以来ほぼ半世紀の時を経た今では黒木町を代表する景観のひとつとされている。
町指定有形文化財
（平成１４年４月指定）
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木製の南仙橋、味わいがあるでしょ |
自然豊かな黒木町の風景 |
清流・矢部川 |
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木製の橋でありながら一級河川に掛かる橋として長さ・約６３ｍ、幅・約３．６ｍ、高さ・約７ｍの規模は県内ほか九州でも大変珍しく貴重な土木遺産ではないだろうか。
また、構造は連続桁橋（橋脚７本）で最大径間（支間）は長さ約８ｍである。
しかしながら木製の性【さが】で、絶え間なく流れる川の影響は大きいもの、時には自然の猛威にさらされる。
半世紀もの間、耐え忍んだ姿が曲がりくねった橋の欄干（手すり）などから見てとってすぐに分かる。
最近、修復されたのであろう黒木町側の橋の上部数ｍは新しくなっていた。
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下から見ると丸太がびっしりと |
欄干、時間の経過を感じさせる |
橋脚の様子 |
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話しは違うが、この黒木町が全国的に有名になった要因の１つとして女優「黒木瞳」さんがこの町の出身であるという事。先般、九州の地方ＴＶ番組で黒木瞳さんが南仙橋の上から故郷・黒木町を語るシーンを見かけた。
彼女が小さい頃、お母さんが川で洗濯をする横で泳いだ事や少し上流の淵で溺れかけたり、沢蟹【さわがに】を捕った話しなど。また、この南仙橋でテレビ撮影があったときにはその様子をずっと眺めたりしていたと思い出を語っていた。
【 黒木町側からの南仙橋 】
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南仙橋の上流部 |
橋の横から河原へ降りれます |
泳いだら気持ちよさそうですね |
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黒木町の人々は生活をより豊かに便利にするために川に橋を掛けた。でも子供の無邪気な心にそんな事は無縁だった。
大人になった黒木瞳さんが語るように黒木町の人々にとってはよき思い出を残してくれた故郷の風景だろうな、と思わせるような佇まいの南仙橋と矢部川の自然。
少し下流にはコンクリート造の橋が掛かり、車さえ通れない南仙橋は便利さを追求する目的としてはその役目を終えているが、黒木町や訪れた人々の思い出の掛け橋としていつまでも残ってほしい、そんな感じの橋である。。
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